金利の低い国は未来が曇る

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リーマンショック後10年にわたり金融緩和が続いてきました。さすがに金余りの状態になり、バブルの兆候が出てきたので、各国は金利を上昇させるフェーズに入りました。基本的に、金利の操作により加熱する相場を適温に戻し、大きなショックが起きないようにするのが各国の中央銀行の役割です。
景気上昇➡政策金利上昇➡景気下落➡金利低下➡景気上昇 といった循環を保つことになります。
政策金利の上昇は融資の金利に影響を与えます。また変動金利で融資を受けている人の返済額にも影響を与えますので、中央銀行は景気を過熱させすぎず、覚ましすぎず慎重な対応を行わないといけません。融資の返済額にも影響を与えるという事は、企業の資金繰りに大きな影響を与えます。すなわち企業の競争力に影響を与えるわけですので、他国が金融緩和なのに、自国だけ金融引き締めを行うと自国企業の競争力を奪う事にもなります。非常にさじ加減が難しいのです。繊細なコントロールが必要です。
現在米国の政策金利は3%、日本の政策金利はほぼ0%です。事実上日本の政策金利は無担保コール翌日物という金利が政策金利となっています。米国は徐々に昨年より金利を上昇させてきています。1回の利上げで0.25%上げていきます。日本は0%なので、金利は0.25%も上がると大変です。米国がこれだけ大きな金利を上下動できるのかというと、まだまだ国内がインフレであるからです。インフレ率が2%あるとすると、金利が2%でも実質金利は0%に等しくなります。インフレになる分お金の価値が失われるからです。インフレの場合企業や個人の全体収入は上がっているはずで国民みんなが豊かになりますから、同じものに多くのお金を払うようになります。2%インフレの世の中では、毎年2%給料が上がっても生活の質は変わりません。しかし借金は2%増えませんから借金の室(価値)は相対的に目減りするのです。
日本は物価がほとんど上昇していません。これは物価がのびないからではなく、個人の収入が伸びないので物を安く売らないと誰も買ってくれない状況なのです。こういう状況だと、政策金利は高くできません。借金の価値は目減りしないので、返済の重荷が日本での100万円は米国の100万円より重いのです。よって、競争力を維持するためには金利を低く設定しないといけません。日本は個人の収入がのびる状態を作り出せないままずるずる金利を下げていき、もうこれ以上金利が下げれないというところまできたので、日銀が国債を買って市場にお金をじゃぶじゃぶに供給してそれが個人の給与に反映されればと思ったのですが、まったくそうはならず、ついに日銀が国債のほとんどを保有することになるという異常事態になってしまいました。どうにも困った次の策が、もう下げれないと一度あきらめた金利をマイナスにするというマイナス金利政策です。マイナス金利とは、借金したらお金をもらえる状態ですのでもう無茶苦茶な状態です。欧州はなんとか離脱できましたが、日本は0金利にもどすのが精いっぱい。今後どうしようというのが日本の現状です。
今は、米国はどんどん金利を上げていこうとしています。欧州も、なんとか金利を上げようとしています。日本だけが金利を上げようとしていません。というより、もう金利を上げる体力がないと判断されているため、上げられないのです。このまま金利を上げられない状態が続き、経済ショックが起こるとどうなるでしょうか? 日本だけ有効な手段が打てなくなるなります。ショックの緩和手段がないと、日本の復活は他国に比べて遅れますので、いよいよ日本は負け組に入ってしまう可能性が出てきます。インド、中国はおろか、フィリピン、マレーシア、インドネシアあたりにも抜かれてしまう可能性があります。
米国は先進国の一番先を行くのに、まだ政策金利が3%、人口も増えています。30-40台の優秀な若い人が大企業の中枢や政府の中枢を担う機会も多いです。領土も広く、いろんな選択肢がもてます。日本は少子高齢化、人口減少、年功序列で縛られる硬直した社会組織を抱え、領土はせまく選択肢も限られます。金利を上げられない状況が日本の苦しい状況を表しているといっても過言ではないと思います。
変えられるところから変えていかないといけませんが、日大、防衛相、財務省、政府、経団連等の高齢化して同質なメンバーをみるとどうにも日本が変わっていける気がしません。この年功序列というほぼ機能不全の価値観ががっちり支配する社会でいったい我々になにができるのでしょうか?暗鬱となります。

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