水道民営化法案がこっそり可決されています

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水道民営化法案(水道法改正案)がこっそり衆議院で可決されました。事実上、執行されることになったと思ってよいと思います。

法案は5日の衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会と希望の党などの賛成多数で可決され、参議院に送られています。

NHKによると、

「水道法の改正案では、老朽化が進む水道施設の改修を促そうと、水道事業をより多くの自治体が連携して行えるようにして、経営の安定化を図ることや、水道事業者に水道施設の情報をまとめた台帳の整備を義務づけること、それに、経営に民間のノウハウを取り入れようと、運営権を民間に売却できる仕組みを導入することなどが盛り込まれています。」

とのこと、国が上下水道整備と管理をやらない理由がよくわかりません。

もうお金が出せないから、民間でやってねということでしょうか?

ちょっとありえないインフラ維持放棄政策です。

どちらかというと、医療保険と年金を民間に任せる方が、まだましです。米国の医療保険は問題も多いですが、払っている額は日本と大してかわりませんでした。というか、私の収入だと日本の方がはるかに高い・・・

これで、上下水道、電気、ガス、電信電話、鉄道、郵便とすべてのライフラインが民間に移行できるようになりましたが、ちょっと上下水道の整備を民間に委託するのはどうなのでしょうか?

これ、結構とんでもない法案です。役人の利権にはなりそうですが・・

電気やガスは、まあ民間にまかせても品質はさほど変わりません。しかし、水はちょっと話が違います。民間に委託して、営利企業がコスト削減として水質を犠牲にすることになったらどうなるのでしょうか? 日本が誇る上水道の「膜濾過技術」は世界トップクラスとのこと。現状で日本の水道水は飲用として問題ないレベルです。その様な良質な水を経済的な条件に左右されず享受できる、恵まれた高品質の水道水を、あえて捨て去ることもないように思います。これを外資の企業が受け継いで同じ品質を現在の価格で保ってくれるのでしょうか?

具体的に何が変わったのでしょうか?

◆改正水道法 第1条(この法律の目的)
この法律は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによつて、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与することを目的とする。

となっています。このうち「水道の基盤を強化することによつて、」の部分は、従来「水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによつて、」となっていました。

「計画的な整備」や「水道事業の保護育成」を放棄し、より抽象的な「基盤を強化」という表現に入れ替えたのです。厚生労働省が適宜監督しつつも、民間企業の経営判断に任せるという意思表示ですね。

法案では、水道施設は自治体の所有としながら、その運営をする権限は民間に包括的に委託するコンセッション方式(官民連携方式)を採用することが定められています。水道事業の心臓部である浄水場の維持管理から、水質検査、水道代の徴収までも民間企業が一手に引き受けます。そうして経済合理性に基づいて運営することで、限られた予算を効率的に活用できるというのが成立の理由です。

しかし、運営権まで民間企業、殊に外資の水メジャーへ譲りわたすことは、かなりのリスクが伴います。利益を優先=水質は国の基準さえ満たせば、ぎりぎりまで落としてもよいという判断をする可能性がでてくるからです。インフラの維持も問題がでるまでやらない可能性もあります。命にかかわる事象を、国民への周知をほとんどすることもなくこっそり可決するやり方は卑怯といわれてもしかたないのではないでしょうか?このサイトで少しでも、こんなとんでも法案がこっそり通っていることを周知できると幸いです。

国民も情報収集を怠ってはいけません。また、くだらない事件やスキャンダルばかり大きくとりあげて、水道法改正案について大きく取り上げないマスコミは責任重大です。世の中の監視機能をはたしていないといえますね。

実は、水道事業の民営化は世界中で試みられ、ことごとく失敗しています。

米ジョージア州アトランタ市では、スエズ社の子会社によって水道事業が運営されていましたが、配水管が損傷したり、泥水が地上に噴出したりして、上水道の配水が阻害されてしまい、しかも復旧対応が大幅に遅れたことがあります。その水道会社は、事業引き継ぎの際に自治体からの情報提供が十分でなかったと弁明しましたが、民営化によるコストカットが行きすぎた可能性が非常に高いものと思われています。結局、2003年以降、アトランタ市では水道事業が「再公営化」されています。

フランスの首都パリでは、ヴェオリアとスエズがコンセッション方式で水道事業を運営した結果、14年間で水道料金が倍に跳ね上がり、汚職問題まで発生したため、やはり2010年に再公営化されています。

ここにでてくる、ヴェオリア社とスエズ社は水道事業の3大メジャーといわれる会社の2つです。かれらは、海外での水道事業で問題を起こし、自国では水道事業ができなくなったので、次のターゲットを探しているのです。つまり。次のターゲットは日本というわけです。

このほかにも、イギリスの公共サービス国際研究所(Public Services International Research Unit)の報告によりますと、2000年から2015年までの間で、世界180の自治体が水道事業の「再公営化」を決断しているといいます。その中には、ドイツのベルリン(2013年)や、マレーシアのクアラルンプール(2014年)といった一国の首都もあります。

再公営化を実行するためには、自治体が水道運営会社の100%株主となる必要があり、株式の払い戻し、さらに中途解約の補償も加わって、莫大な額を要することもあります。いったん民営化させたものを、再び公共の手中へ取り戻すことの負担は計り知れないものがあり、当然それは税金で賄われることになります。

水道事業が民営化されれば、株主への配当や役員報酬、企業内留保が、いままでの管理費に加えて、水の原価に加わります水道料金は値上がりすると考えるのが自然ですね。

また、その地域が少雨で水不足になったとき、水を多く使ってもらうほど収益が上がる水道会社にとっては、住民に向けて節水を呼びかけるインセンティブが働きづらいという欠点もあります。

以上のように、水道法改正案は、日本に住む私たちの利益にならない危険性が高い法案です。それがわかっていても、あえて推進している政府には、何の考えてのことでしょうか?日本は違うという勝算があるのでしょうか?それとも、利権がからんでの推進なのでしょうか?

最後に、日本で水道が民営化されるけど、ここで水道の民営化で水道料金が跳ね上がり、暴動に発展したボリビアのモラレス大統領の発言を紹介します。

「水を民間ビジネスに委ねることはできない。水道は基礎的なサービスとして、国家が担い続けなければならず、それにより非常に安い料金での提供が可能なのだ」

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