幕末の天才、小栗上野介の幕府財政立て直し政策が今のアベノミクス とクリソツ

Pocket

小栗上野介忠順という人をご存知でしょうか?

幕府の高級官僚で、幕末に勘定奉行として、財政と軍制を担った人です。

大変な切れ者で、当時 「天才」と呼ばれていたそうです。

一方でコミュニケーション能力に問題があり、わがままで自分勝手、他人の気持ちがわからないサイコパスな感じも受ける人物です。

この小栗上野介が幕府の勘定奉行になった時、幕府は財政に窮していました。

小栗上野介は経済振興ではなく、トリックを用いて幕府財政を劇的に改善させました。

それが万延二分金(まんえいにぶきん)です。

これは1860年から鋳造された金貨で、通貨価値は2枚で一両に相当しますが、これがなぜトリックなのかというと、金の含有量が60%しかありませんでした。

いわゆる悪貨でありますが、小栗はこれをこれまでの貨幣流通量からするとかなり大量の5000万両発行しました。通常幕府の金貨は多くても数百万両単位の発行なのですが、万延二分金だけ異常に多量に発行されたのです。

江戸幕府はこういう悪貨鋳造で借金帳消しを何度もやっていますが、小栗はそれを最大規模でやったのです。

諸藩にとっては、いい迷惑です。本当は6割の価値しかないものを通常の価格で無理矢理買わせられるわけです。

世間をお金でジャブジャブにしたわけですね。

結果として急激なインフレを誘発し経済は大混乱、庶民は非常に生活に困りました。物価は10倍を超えたと言います。

幕府は万延二分金で良質な金貨を諸藩から収集し、潤うのは幕府ばかり。さらにハイパーインフレで幕府の借金は帳消しになってウハウハ、めでたく財政再建というわけです。

小栗はかなりキレものですので、このようなインフレが起こることは当然知っていたはずですが、なりふり構ってられないと判断したのでしょう。

要約すると、意図的にお金をジャブジャブにしてインフレを誘導し、庶民の生活窮乏と引き換えに財施再建を果たす。

これって、どこかの国の金融政策を思い出しませんか?

そうです、安倍のミクスの異次元緩和にそっくりなのです。

市場にお金をジャブジャブ流し、インフレにして借金の相対的減少を目指したのがアベノミクス です。

物価を10倍にしてもやむなしと思ったかどうかはわかりませんが、やはりハイパーインフレ懸念はあったのでしょう。一応インフレ率2%を目指すと宣言して、インフレをコントロールすると豪語しています。

しかし、現在の金融システムでは、日銀がお金を刷っても、それは銀行にしか渡されません。銀行が融資(借金)として企業や個人に貸して始めて市場に出てくるのですが、構造改革を怠り、リスクのとりたくない高齢上層部で固められた日本ではお金の借り手が誰もいませんでした。唯一個人の不動産賃貸業者が盛んに融資を受けましたが、審査過程に違反があり、融資焦げ付きが発覚、それがスルガ銀行の事件です。国としても当面は不動産融資を締め付けるほかなく、借り手が更に減って、至る現在です。安倍政権としては、ほぼ唯一の現金供給増加システムの不動産融資を減らしたくはなかったでしょうが、流石に不動産融資を引き締めざるをえなくなり、市場への資金供給は現在かなり減っているものと思われます。

では日銀の刷ったお金はどこに行くか? というと日銀当座預金です。これは銀行のための預金口座みたいなもの。ここにお金は眠ったまま庶民の手にわたらず、インフレは起きませんでした。

元々の意図はインフレをもって、国の借金を減らすことです。

ハイパーインフレはコントロールする必要がなかったですが、意図せずして市場にお金が出て行かず、インフレは定率に収まっています。デフレではない状態になったのは成果だと言いますが、これだけ日銀がリスクを取ってデフレではない程度なら自然の景気回復で達成できたのではないかと考えてしまいます。

インフレ下では、国民の生活を守るためには、貯蓄は悪になります。インフレで貯金していても買えるものはどんどん減っていきますから。金を社会に出し、もっと借金して、投資を行い、社員の給料を増やして、それでも利益が出るだけ稼ぐ必要があります。大企業は自転車操業を行い、富裕層も貯金していても目減りするだけですから、投資しないといけません。貯金は損なのです。

実際現在は緩やかなインフレになりつつあるのですが、どうも悪い方向のインフレのようです。今回のインフレ実質賃金の上昇を全く伴っていません。円安で必需品の物価がいくつか上がっていること、消費増税で物価が上がったこと、これらでの物価上昇であり、賃金が上がって需要が増えたからインフレ傾向になったわけではないからです。

これでは国民生活は困窮してしまうのは当然で、悪いインフレと言われます。

一方、会社内部留保を溜め込み、高齢者も富裕層もお金を使わないまま現在まで経過しています。

企業が挑戦せず、事なかれ主義なので産業は起きません。従業員の給料は増えません。従業員の給料を増やした実績もないのに、なぜか役員報酬と株主報酬はうなぎのぼりに増えており、資本主義ではなく単なる搾取システムが起動しているだけな気がします。

今回のアベノミクス なる経済政策で、

日銀は余計なリスクを背負い込み、もう次の経済危機で日本だけ金利はあげられない状態となってしまいました。安倍後の人はツケを払わされる損な役回りになる可能性大です。

また、GPIFは何故か、普通の個人の資産運用かと目をこすりたくなる、株式:債券 = 1:1 の運用で、わずか四半期で運用金の15%を溶かしてみたりと、結構なハイリスク運用を行なっており。今後年金を溶かしてしまうリスクを着々と増やしています。もちろん増える可能性もありますが、年金という公的性格のもののポートフォリオの半分が株式というのは、いかがなものでしょうか? 有識者の十分な議論もなく、将来を決定づける政策が次々決まる現状は、決められる政治というより、危ない素人運営ではないかと危惧されます。

本当ならかなりのインフレにならないといけない事をやっているのに、ならない現在の状況は危険と思っています。コントロールできていないからインフレにならないのであって、信用がなくなれば一気にマグマが吹き出すと思われます。

日本金融の信頼性はドンドン低下していると思われます。信頼というものは形の見えないものであり、どこかで信用できないと判断されると(国債格付けの危険域への低下など)一気に金利は上昇し、新規国債が発行できなくなる可能性があります。そうなれば、日銀は破綻、新中央銀行を発足し新通貨を作れば政府は破綻しないかもしれませんが、ハイパーインフレで借金も貯金も円建ては紙くずとなります。

最近は消費増税しないと、国債格下げで危機だ、だから消費増税は必須だと麻生財務大臣が言い出しましたが、アベノミクス でそこに追い込んだ政権側が言う話ではありません。その辺の辻褄もしっかり国民が理解してないから、安倍政権の高支持率につながっているのではないでしょうか?国民一人一人が将来に責任持つために、そもそも根っこの部分を理解する必要があります。

緩やかなインフレでもハイパーインフレでも政府は財政再建できて満足でしょうが、ハイパーインフレなら国民は地獄です。緩やかなインフレでも賃金が上昇しないならやはり地獄です。

ハイパーインフレでは国債が買われず、予算が成立しませんから、全ての公共サービスは大きく低下もしくは停止でしょう。公務員は大幅にリストラです。日本円しか貯蓄のない人は一気に困窮します。給料のない高齢者は路頭に迷い、死人も相当数出ると思われます。

小栗上野介は確信犯です。庶民のことは一切考えず、思うように市場をコントロールし計算通り幕府の財政を潤しましたが、似たような事をやったアベノミクス はもっと極端な非常に危険な結末を迎えそうです。

小栗上野介なら現状のシステムで異次元緩和に踏み切ったでしょうか? なんとなく、今のような出口のない状況に陥るのを見越して、違う手段を選んだと思うのですが、どうでしょうか?

スポンサーリンク
レクタングル大




レクタングル大




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大